公開: 2019年11月4日
更新: 2019年11月xx日
物質の根源を突き詰めると、原子と中性子からなる原子核と、その周りを回る電子からなっていることが分かります。原子と中性子から成る原子核は、原子や中性子が極めて強い力で互いに結合しているため、その結びつきを解こうとすると、巨大な力が必要になります。核分裂は、そのような原子や中性子の結びつきを壊して、原子核から中性子を取り出し、さらに原子も取り出して、新しい原子核を作る時に生じる巨大な力(爆発)を人工的に取り出す方法です。
これに対して、核融合は、ある物質の原子核から取り出した原子や中性子が超高温の空間で混ざり合って、新しい水素などの物質(原子核)ができると時に発生する膨大なエネルギを利用しようとするものです。これは、太陽のように自分で光を放出している宇宙の天体の表面で起きている現象を人工的に作り出すものです。そのため、原子爆弾よりも、より大きな力を打ち出せるようになります。この核融合を可能とするためには、プラズム状態と呼ばれる超高温の環境を一定の時間保つ必要があります。このプラズマ状態を作るために、原子爆弾の爆発で発生したエネルギを利用しようとしたのが、水素爆弾です。